(この記事は2025年7月28日に更新されました。)
バンクーバーのダウンタウンに位置する「サム・キー・ビルディング(Sam Kee Building)」
観光客だけでなく建築ファンや歴史愛好家からも注目を集める、非常にユニークな建物です。
この建物は「世界一薄い商業ビル」としてギネス世界記録にも登録されており、その驚異的な構造と興味深い背景により、多くの人々を魅了しています。
この記事ではサム・キー・ビルディングの歴史、建築的特徴、観光スポットとしての魅力について詳しく解説します。
サム・キー・ビルディングとは?

サム・キー・ビルディングは、カナダの都市バンクーバーのチャイナタウンに位置する超薄型ビルで、最大幅わずか1.8メートル(6フィート)しかない驚きの構造を持っています。
1階部分のみに限って言えば幅はさらに細くなり、その長さなんと1.5メートル(4フィート11インチ)という驚きの幅。
1913年に中国系移民の実業家サム・キー氏(本名:Chang Toy)によって建設され、現在でもその斬新なデザインと歴史的背景から多くの観光客が訪れるスポットとなっています。
“世界一薄いビル” としての記録

このビルが「世界一薄い商業ビル」としてギネスに認定されているのは、建築面積の極端な狭さにあります。
通常のビルと比べ、信じられないほどの薄さを実現しており、建築技術とそのデザイン性から世界中で話題になりました。
現在も多くの観光ガイドやメディアで紹介されており、バンクーバー観光の注目スポットとなっています。
サム・キー・ビルディングの建築的背景
このビルが建てられた背景には、バンクーバー市による土地の収用が関係しています。
もともとChang Toy氏は、現在のビルの敷地にもっと広い土地を所有していましたが、すぐ目の前のPender Street(ペンダー・ストリート)の拡張工事の為に大部分が収用され、残されたのはわずかに細長い土地だけとなってしまいました。
このバンクーバー市による土地の接収でオーナーのChang Toy氏に対して一切の補償がない厳しいものでした。
ところが、Chang Toy氏はその土地を無駄にすることなく、あえてその細長い土地を活用して商業ビルを建設するという斬新な決断を下しました。
その結果、現在のような超薄型ビルが誕生したのです。
この逸話は、逆境を創意工夫で乗り越えた成功例として現在も語り継がれています。
観光地としての魅力
インスタ映えするユニークな外観
サム・キー・ビルディングは、そのユニークな外観から「インスタ映え」するスポットとしても人気があります。
特にその薄さが際立つように撮影したら、SNSで話題になること間違いなしです。
アクセスのいい好立地
このビルはバンクーバーのチャイナタウンのメインストリート沿いにあり、観光ルートにも組み込みやすいロケーションです。
周辺には歴史あるレストランやマーケットも多く、散策にも最適です。
建築と歴史を学べる場所
建築好きにとっては、この建物の設計や構造をじっくり観察できる絶好の機会となります。
また、チャイナタウンの歴史とも深く関係しており、地域文化を知る手がかりにもなります。
サム・キー・ビルディングの観光基本情報
アクセス方法

バンクーバー市内の公共交通機関を使って簡単にアクセス可能。
スカイトレインのStadium-Chinatown Station(スタジアム・チャイナタウン駅)から徒歩圏内。
Stadium-Chinatown Stationに着いたら駅を背にWest Pender Streetを東に進むと中華門(Vancouver Chinatown Millennium Gate)が見えてきます。
この門をくぐってすぐ右手にSam Kee Buildingは位置しています。
また訪れるなら午前中から日中の時間帯がおすすめ。
建物が最も美しく見えるのは日光が斜めに差し込む時間帯です。
周辺の観光スポット

Dr. Sun Yat-Sen Classical Chinese Garden(サン・ヤット・セン・クラシカル・チャイニーズ・ガーデン)や、チャイナタウンのレストラン・カフェも併せて訪れるとより充実した観光になります。
サム・キー・ビルから学べること

サム・キー・ビルディングは、ただの建築物ではなく、制限や困難を逆手に取って創造性を発揮した結果生まれた象徴的な存在です。
現在でもそのスピリットは、多くの人々にインスピレーションを与えています。
バンクーバー観光の際には、ぜひこのユニークなビルを訪れて、その歴史と魅力を肌で感じてみてください。
まとめ
「世界一薄いビル」として知られるサム・キー・ビルディングは、その唯一無二の建築スタイルと歴史的背景から、バンクーバーに訪れる旅行者にとって欠かせない観光スポットです。
写真映えする外観、アクセスの良さ、歴史的価値のすべてを兼ね備えたこのビルを訪れることで、より深いバンクーバー体験ができるでしょう。
最後までお付き合い頂きありがとうございました!
他にもバンクーバーのダウンタウンの観光スポットを一挙にまとめて紹介している記事があるので、気になる方はこちらも是非読んでみてくださいね!
Sozoro